こんな森の中の寺に、人がいるはずが ありません。もし、だれかが来たとしても、ここを知らない限り、 だれも古びたかねを鳴らしてくれるはずが ありませんでした。 けっきょくどうすることもできずに殺されてしまうことと、 ちがいがありません。ちょうどそのとき、少しずつ空が 明るくなってきました。 「さあ、死ぬかくごをしろ」 ヘビが口をあけ、飲み込もうとしたそのとき、 「ゴーン」 というかねの音が聞こえてきました。