ある時、狩りに出た王子さまが、馬に乗って、この親子の家の前を通りかかりました。 屋根の上の娘を見つけて、「どうしてそんなところにすわっているのか？」とたずねました。 「娘がどんなに頭がいいか、世間さまに見てもらうためですよ。 なにしろ娘は土と麦わらから黄金をつむぎ出せるんですからね」と、 母親は娘に聞こえよがしに答えました。 それがひにくだとは気がつかないで、王子さまはたいそうおどろいてこう言いました。 「それが本当なら、お城に連れて帰って私のきさきにしよう」