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銀貨を海に捨てる弟 テキスト画像3
弟のほうはこう考えました。 「おやじとおふくろは、どう考えても、ごまかして銀貨を儲けていたようだ。 おれはそんなもの欲しくはないさ。 だって、坊さんはいつも『インチキして手に入れた物は、呪われるだけだ』と、 おっしゃっているもの」 そこでお金をぜんぶ海岸に持っていき、海の中にほうりこんでこう言いました。 「神さま、どうぞ正直なお金は浮かべて、そうでないお金は沈めてください」すると、 どうなったかというと、そう、山ほどの銀貨のうち、たった一枚だけが海に浮いたのでした。